「教養としてのワイン」
ワインを勉強しようと思ってたまたま見つけた「教養としてのワイン」が最高でした。
同時並行で読んでいた本以外では特に知識も無くフラットに読んでましたが、「ワインを勉強する」
というと最初に出てくる、眺めましょう、そして香りをたしなみ、う~んこれはラズベリーだね!
みたいな。
そんな切り口ではなく、
基本的には時系列でワインの生い立ちをたどって行きます。ワインのテイスティングなどの個人差が出てくる部分ではなく、圧倒的事実に基づいた知識が頭に入ってきます。
他のテイスティングやら葡萄の種類やら細かい知識をきれいな写真と共に学べる本も読んでいますが、こちらの本で歴史に対する造詣が深くなってからのほうがより一層楽しめると思います。
作品の背景に有るものが頭に入って気安くなるからです。
ここで教養としてのワインがすばらしかった点を紹介したいと思います。
事実しか書いてないのにすっと入ってくる。
通常ワインの本はお勧めの学び方やまずはどこどこワイン!魚と白ワインは実は合う!等、著者の経歴でマウントを取ってぶん殴ってくるタイプのものが多いですね。(入門書としてとっつきやすく工夫した結果なのは理解しております‥)
そんなものは個人の自由ですから、わざわざ本で読むようなものでもないです。やぎにでも食べさせてしまいましょう。
最新の情報が満載。
ボンジョビがワインを造ってるとか、アメリカではロゼがはやっているなどですね。またその背景にもしっかりと説明されているため、他人に薀蓄をたれて自慢するにもまったく都合がいいです。さすが教養としてのと付いているだけあり、変な知ったかぶりではない感じに人に伝えられる知識が身につきますね。
「和食には白ワインのこれが合うんですよね!」「ポン酢の酸味とシャブリのミネラル豊富な土地から作られるワインの酸味が合うんですよねー。」
ってコメントはワインを趣味にしてるにしては浅いですし、コミュニケーションとしての発展性も無いですし、更に求められてもいないのに話すことでもないです。
「なぜ」と「流れ」
これがワインを学ぶにあたり、一番難しい問題だと思います。
バリバリのビジネスエリートは流れで物事を理解し、「なぜ」を徹底的に分析します。
多分。
ちょっと私はビジネスエリートじゃないので詳細はわからないですが多分そうだと思います。
香りがどうのこうのとか、味がどうのこうのとか、ワインは「なぜ」と「流れ」ではなくて、感じる部分にフォーカスを当てられがちなためとっつきにくいわけですね。
この本ではたとえばボルドーとブルゴーニュの違いも、葡萄や土地の違いだけでなく、資本関係や歴史を紐解きなぜと流れを説明してくれます。
“ボルドーワインの発祥は、ローマ帝国時代にまでさかのぼります。ワインがフランスに伝わっ たのもローマ帝国時代でしたが、ローマ軍はボルドーを侵略し、食料確保のためにボルドーにも ぶどうを植え、積極的にぶどう栽培をおこないました。
渡辺 順子. 世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン (Kindle Locations 259-261). ダイヤモンド社. Kindle Edition. ”
この本ではワインと関係するなぜと流れを説明できる部分を抽出して、一冊の本として紹介しているイメージです。初心者にはうってつけですね。これからは私も「なぜ」と「流れ」のない、感覚の世界へとがんばって足を踏み入れて行きます。
後同時にローマ帝国の歴史、イスラームの歴史もWikipediaでさらっておくとはかどりますよ!特に「砂糖の歴史」は大人になってからワインの歴史と共に学んでしまうのがいいと思います。